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しがない地方銀行員のブログです。

角田陽一郎さんの「運の技術」感想


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元TBSのバラエティプロデューサーで、「さんまのスーパーからくりテレビ」、「金スマ」などを生み出した方で、現在は独立されている角田さん。

 

以前実際に講演を聴きに行ったことがあり、その時のお話がとても面白かったので、角田さんの本を今回読ませていただきました。

 

「運の技術」とは、名前こそスピリチュアルですが、内容は実はとてもロジカルで、成功しやすい人とはどんなマインドで、人とどんな関わり方をしているかが書かれている本。

 

「これから独立したい」とか、「もっと営業成績を伸ばしたい」と考えているビジネスパーソンにこそ読んでいただきたい一冊です。

 

 

運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器

運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器

 

 

 

 

第1章運は自分で開くもの

第1章では、運を掴みやすいマインドセットや、立ち振る舞いの仕方が書かれています。角田さんの本で、すごくわかりやすいのが、角田さんが実際に関わった芸能人が実名で出ていること。

 

これは非常にイメージがつきやすいです。第1章では明石家さんまさんや、キングコングの西野さんが登場してきます。

 

この方たちが、どんなマインドで仕事に取り組んでいるのかを学ぶことができます。

とても身の引き締まることが書いてあり、自分の仕事に取り組む姿勢を見直すキッカケにしていただけると思います。

 

第1章で書いてあることを要約すると、

全てを自分ごと化し、物事の捉え方・解釈を成功しやすいように変えよう

ということが書いてあります。

 

第1章で書かれている、具体的なエピソードをご紹介すると、さんまさんはテレビで見るととても面白くていい人ですが、実は仕事にはめちゃくちゃ厳しくて恐い人なのだそうです。(人柄的にはめちゃいい人で間違いないそうです)

 

これはどういうことかと言うと、さんまさんを初め、芸能人の方達は、自分が看板で仕事をしている。だからこそ仕事に対しての取り組み姿勢は、常に全力で取り組むからこそ、仕事に厳しくなるのだそうです。

とても身の引き締まるお話です。

第2章「運を閉じる人」には特徴がある

第2章の中で、「整えすぎは運を逃す」と言う話があります。

これは角田さんがテレビマン時代に体感した話なのですが、今のデジタルよりも昔のビデオテープ時代の方が、番組の編集が面白くできたとのこと。

ん?どうして?と疑問に思われる方も多いと思います。

昔の編集作業は、クイズ番組などを編集していき、8問目くらいで「あと2分しか残ってない!やばい、10問なんて収まらない!」みたいなことがよく起こっていたそうです。

昔のアナログならではですね。

そんな時はどうしていたかというと、巻き戻してまたやり直すのはめんどくさいので、9問目と10問目は回答の瞬間しか見せないような、めちゃめちゃハショる編集をしていたそうです。

つまり、「竜頭蛇尾のような編集をしていた」と本の中では言っています。

今のデジタルであれば、1問ごとに15秒短くしたり、もっときっちり編集ができるそうです。

 

「なんだよその行き当たりばったりな編集、そんなの面白くないじゃん」と思うかもしれませんが、実はそうでもないらしいです。

 

角田さん曰く、明らかに「竜頭蛇尾」だった昔のアナログ編集の方が勢いがある。引き込まれる。気持ちよく見られる。と語っています。

 

これは、昔の編集は一発勝負であり、製作者の「絶対に面白くする!」と言うコミットが番組を通して伝わって来たからではないでしょうか。

今のデジタルであれば、バランスの取れた綺麗な構成ができますが、例え不格好だったとしても、製作者のコミットが伝わってくるアナログ編集の方が視聴者の心を掴むと言うことなのかもしれませんね。

実は僕もこれに少し似た話をされたことがあります。

僕は職業柄、完璧を求めすぎてしまうきらいがあり、無意識にそれを周りの人にも求めてしまっていたことがありました。

そんな時、とてもお世話になっている人に言われたのが、

「完璧を求めすぎてはいけない。何かを求めている時に、何かがおざなりになるのは人間として当たり前のこと。完璧を求めすぎると、近づきにくい人になるで。」

 

これはかなり突き刺さりました。

この本を読んで、角田さんの番組編集の部分と共通するところがあるなと感じたので書きました。

つまり多少不格好の方が、人間として親しみやすいということなのでしょう。

 

第3章運を開くヒントは「渦巻き思考」

ここでは、農業革命、産業革命の次にくると言われている、情報革命で成功するための物事の考え方について説明しています。

 

産業革命における考え方を、「エクセル的な考え方」と例え、情報革命に必要な考え方を、「渦巻き思考的な考え方」と例えています。

 

エクセル的思考とは?

エクセル的思考とは、エクセルのように、あらゆる物事を「仕切り、区切り、分類する」考え方のことだそうです。

つまりセルの区切りは絶対であり、ファジーな状態がなく「AかB」「白か黒」のようにどちらかしか選択肢がなく、「遊び」が存在しない状態。

これはなんとなく、日本古来からの大企業だとかがこの考え方にハマる気がします。

特に銀行のようにお堅いと言われる企業で働く人は、決められた仕事をキッチリやることが多いと思うので、そこにグレーはなく、まさに白か黒かの世界だと思います。

 

では渦巻き思考的な考え方は

渦巻き思考は、エクセル思考とは真逆の考え方です。

情報革命時代において、流行や価値は秒単位で変わっていきます。

大げさに聞こえるかもしれませんが、

 

では皆さんは3ヶ月前のニュースを覚えていますか?

 

何が流行っていて、何が世間の注目を集めていたのかを覚えている人は、ほとんどいないと言っても過言ではない気がします。

僕は正直1ヶ月前のニュースですら曖昧です笑笑

それほど世間では情報が入れ替わっていて、この速度がどんどん加速していくのが情報革命だと僕は思います。

 

つまり角田さんが本の中で言わんとしていることは、今までのエクセルのような決められた区切りは、日々の変化によって意味をなさなくなっいくと語っています。

 

あらゆる物事が「予定通り」には行かないこの時代、計画外の事態に対応できない国、企業、集団、個人、事業計画は、早晩潰える運命にあるのです。

 P134 第3章 運を開くヒントは「渦巻き思考」

 これを読んで、なぜ今銀行が経営に苦しんでいるのかが、明確になりました。

つまり変化に弱いからです。これだけ時代が変化しているのにも関わらず、時代に合わせて変わろうとしていないからですね。

もっと身近な例でいうと、スマホを使えない老人は世間から取り残されていくし、「昔はこうだった」と新しい仕組みを受け入れないロートル社員は会社で疎まれます。

 

これからの時代は、

常に水が流れ込み、常に水が流れ出ている、渦巻きのようなフルオープンなマインドを持つことが大事

だと語っているんだと思います。

 

この後第4章、第5章と続いていきますが、ここまで読んで興味を持ってくださった方は、是非この本を手にとってみてください。

人間として、ビジネスパーソン としてとても大切なエッセンスが詰まっていると思います。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

あなたの人生に少しでも役立てる情報が発信できていれば幸いです。

 

 

運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器

運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器